お月見
お月見とは〜
旧暦8月15日に月を鑑賞する行事。
この日の月は「中秋の名月」「十五夜」「芋名月」とよばれる。
お団子やお餅、ススキ、サトイモをお供えして月を眺める。
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みぽりんは張り切っていた。
珠さま方、犬士さん用のお団子。そして人用、神様用も用意して、山のようになったお団子を見てにっこりである。
「よかったですね、みぽりん様」
手伝ってくれた人たちに、みぽりんは笑顔でありがとうです!とお礼を言った。
ちなみに「様」付は断固として拒否していたが(みぽはみぽです!<みぽりん談> ) 、訳せば、別に自分の何が変わったわけじゃないので「様」付けはいやんなのです!なのだが、執政という身分のものを呼び捨てるわけにもゆかず、周囲があまりに困ったので、ここはみぽりんはめずらしく譲った。
縁側には、犬士たちがススキやサトイモを用意して待っていた。
お団子も一緒に、お月見用に並べる。
そこに、王犬、珠さまが登場する。
本日のおリボン月色のリボンに、秋の七草をあしらった布かざり。
付き合いのよい珠さまは、みぽせれくとのおリボンやらを、仕方ないなあというように大人の対応でお付けくださる。
みぽりんはいつものようにもふもふの王犬さまを、ぎゅーと抱きしめる。
そしてきもちのよいところをなでる。
初めは、苦手な犬を見て、腰がひけていた国民だったが、みぽりんのするのをみて、怖くないの・・・かな?と少しだけ思った。
犬士たちは、そんな国民の様子をみて、少しだけ、おびえた表情をゆるめた。
「じゃあ、せっかくなので、みんなでお団子をたべるのです!!」
月はどこにいった
心をあわせてみぽりん以外がそう思った。
「み、みぽりん様、せっかくなのでもう少し、みなさんで月を眺めませんか?」
勇気ある犬士の発言に、皆、心からの拍手。
みぽりんは、は、そうでしたといいながら、みんなに縁側に座るのを勧める。
今宵は「中秋の名月」。
まるい月が虚空に浮かぶ。
曇っていたのが心配されたが、雲間から満月は顔を出したのだ。
「綺麗だねー」
国民がふっとそうつぶやく。
「そうですね・・」
犬士が月をみつめながら返答する。
そうして、お互い、はっとしながら、見つめあい、照れ笑いをする。
「では!今度こそお団子たべるのです!」
だからメインはそこじゃないと・・。
いろいろ言いたかったが、あきらめた周囲は、まあ月をみながら食べるのもよいかと思いなおす。
お団子を中心に、人と犬士が車座になる。
まだおっかなびっくりだったり、慣れていない様子ではあったが、ぽつりぽつりと会話が始まる。
みぽりんは天を仰いだ。
「神様ー!神様もどうぞです!みんなでお月見なのです!」
にーっこりと笑顔のみぽりん。
神様たちが微笑んだ気がした。
秋の虫たちの演奏を聴きながら、みんなでおいしくお団子を食べた。
近くに、人間や、犬士、そして神様のぬくもりを感じながら。
Fin