神聖巫連盟 : 雑談用
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みぽりん
- 09/1/10(土) 21:03 -
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無名藩国からの帰り道。
勝利したはずなのに、一同の顔は沈んでいた。
皆、無言。
「疲れたですー。ちょっと休んでいいですかー?」
みぽりんから、本日何度目かの休憩が提案された。
みぽりんがあまり寝ていないことを知っている姫巫女は許可を出す。
「じゃあ少し休憩しよう」
木の幹に背を預けながら、みぽりんはうつろな瞳で錠剤を手に取る。
あのときの光景が頭から離れないのだ。
口に含み、目を閉じる。
忘れたいわけじゃない。
ただ、眠りたかった。
ずっとずっと寝ていたかった。
その様子を見ていたのは、あすふぃこだった。
思わず目をそらす。
進言しようと姫巫女のそばに近づく。
姫巫女はそっとうなづく。
ミツキも眠れない日々を過ごしていた。
眠ろうとするたびに、息ができなくなる。
じわりとにじむ、涙。
どうしてこうなってしまったんだろう。
みんなわからなかった。
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国境につくと犬士や国民が待っていてくれた。
「おかえりなさいませー」
「お疲れ様でした!」
犬士のかわいい声でねぎらわれる。
みぽりんはいつも一緒に遊んでいる犬士を見つけ、なぜか足が止まってしまった。
なにもかも遠く見える。
犬士たちはみぽりんに近づいて、そっと抱きしめる。
「おかえりなさい、お疲れ様でした。あとでお風呂に入って一緒に寝ましょうね。カミツレでハーブを作ったんです。きっといい香りでよくねむれますよ」
みぽりんは、何も言葉が出なくて、だからうんうんとうなづく。
そして、ぎゅーと抱きしめ返す。
「みなさんの分もありますよ!ぜひ受け取ってくださいね!」
その様子を優しい目で見つめていた姫巫女はそっとうなづく。
「ちょっと遅くなったけど、約束どおり餅つきをしよう。みんな一緒に」
姫巫女の言葉に一同うなづく。
「よし!じゃあ私は臼と杵を用意しましょうか」
久音が腕まくりして宣言する。
「では米をふかすのは私が」
摂政が後につづく。
みぽりんはいつのまにか、犬士の腕のなかで眠っていた。
起きたら、おいしいお団子やらお餅が待っていることだろう。
傷は消えないけど、傷ついたから見えたものがある。
経験として活かすことを誓いながら、政庁に帰還した。
(868文字)
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