神聖巫連盟兵部省内一室。
姫巫女、摂政臨席のなか、今回の方針が発表される。
「んとー、つまり「なかよくする」ですか?」
めいっぱいきりりとした目でみぽりんが尋ねる。
本人いたって大真面目。最近やけに頑張ろうとしている。
「そうですね。同調して他国と一緒に戦うことになると思われます。そのときがきたらお願いしますね」
有馬信乃がうまくまとめ、みぽりんが「はいです!!」と気合の入ったお返事をした。
雹がつづきをひきとる。
「狙いは式神使いによる詠唱による攻撃。他国と協調しながら攻めます」
ちらりと姫巫女を見る。
姫巫女は無言。
あの細い肩に国の命運がかかっている。
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中庭に場所を代えて訓練に入る。
3班に分け、それぞれ班ごとに同調しながらの「体術」「詠唱攻撃」「陣地作成」。
味方と同調しながら、「式神召喚」「詠唱」。陣地作成も加え、より実戦に近い訓練になっている。
「金剛!」
摂政、七比良鸚哥が天を仰ぎ力強い声で名を呼ぶ。
喜んでやってくる金色のインコの式神。
七比良鸚哥が合図をすると、3倍の大きさになり作成された陣に向かって突撃する。
陣のなかでは姫巫女が澄んだ声で自分の愛する式神を呼ぶ。
「千夏月(ちかし)」
小さなカカシがぴょこっと姿を現し、姫巫女の顔をつぶらな目で見る。
「金剛をよけながら摂政に突撃。千夏月が怪我しないようにね」
姫巫女の声にあわせるように、式神使いたちが千夏月の援護にあたる。
味方の動きをよくみながら呼吸をあわせる。
「すずめさん!!」
みぽりんが式神を呼ぶ。
天空で繰り返される攻防戦。
地上では、目で合図しながら摂政を中心にした班が金剛の下から走りこむ。
目の前の敵に足を振り上げる。
手を十字にして防ぐのはある。
帝国軍仕込みで腕は一流。
ふっと笑った七比良鸚哥がそのまま回転するように背後に蹴りをいれる。
流れに乗るようにして直撃をさける、ある。
反省点をあげながら、体が覚えるまで訓練は続いた。
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出陣前。
姫巫女さまから何かございますがと促され、姫巫女が小さくうなづく。
「今回は防御は代わりにしてくれる所があります。ですから連携をとる事を第一に考えてください。それが出来さえすれば大丈夫。後は今度こそ自分達が敵を退ける事が出来る事を願うだけです。帰ったら餅つきしてお腹いっぱいお餅を食べましょう。」
こうして出陣は整った。