神聖巫連盟 : 国内業務用掲示板
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王宮内にある「禊の間」の夜。
ここは天より地上に降り注ぎ、大地に潜った水が地上に再び生まれ出て川が始る所。
壁があるわけでも屋根があるわけでもない、けれどここは身を清めるための神聖な空間。
月光に輝く白い装束を纏い、一人禊を行う
滴り落ちる水が月光に照らされわずかに光った。
黒髪の間からのぞく頭環。
藻女は口を閉じたまま印を結び、式神を召喚する。
式は姿形は異なっても共に同じ道を歩む半身。
禊の終わり鍛冶場へと向かう。
鍛冶場は試験場に用意されたもの。
鍛冶の神を祀り聖域とされた中、鍛冶場として建てられた建物がある。
印を唱えると、ぴしりと音をたて御札が動き出す。
定まった位置に御札があることを確認し、謡いはじめる。
それは生まれてくる子の幸いを願う歌。
健やかに育つ事と祈る子守唄。
古くから続いた詠唱と共に心からの思いを詩にする。
そして槌打つ音の音色を歌に乗せて歌にする。
声にあわせて、式神も謡う。
1人では作れない音色を織り上げ、今生み出すこの子どものためだけの歌を作っていく。
炉に砂鉄と木炭を、中の様子をみながら投入してゆく。
特性にあわせて少量ずつ処理して、脱炭や吸炭を行う。
羽口からは細心の注意を払いながらどろりと赤白く溶けた鉄に鞴(ふいご)で空気を吹き付ける。
空気を吹き付けられた鉄は燃焼する。
こうすることで鉄は完全な液体となる。
材料の性質、火のかげん、造るもののこと。
ものを知らなければ良いものは造れない。
経験を通して身体で学ぶことも多い。
ノロ出し口をあけると砂鉄に含まれる不純物と炉の土が反応して出来た「ノロ」が出てくる。
その後、炉を解体する。
そして真っ赤に焼けた「けら」を水に焼きいれる。
この「けら」を打ち砕き、良質だが少量の「玉鋼」(たまはがね)と多量の銑鉄(せんてつ。「ずく」ともよばれる)が得られる。
得られた「玉鋼」を刀に切り出す。
炉で真っ赤になるほど熱し、槌で叩くのだ。
槌とタガネを使い、適当な大きさに切り分けられた後、熱せられる。
炉で赤くした地金と鋼を槌でくっつけ、叩き伸ばして鍛えてゆく。
鍛錬を繰り返すことにより、不純物が外に出てゆき、固くて曲がりにくい刃ができる。
ここでどれくらい「ねばり」を残すかも、鍛冶師の力量の一つといえよう。
焼き入れ、焼き戻しを繰り返し調節を繰り返す。
ハカマ(口金:柄の先にはめる金の輪。固いものを斬ったときの衝撃から柄が割れるのを防ぐ)を刀にあわせて造る。
そして「研ぎ」をする。
刃が食い込むにつれ、切る対象を押し開く厚さがいるが、かといって摩擦で入り込んでいかないのも困る。鍛冶師は絶妙な調整をしながら完成させてゆく。
目立て(刃をつける)をし、柄の部分に穴をあけ、使いやすく造った柄を組み付ける。
そして最後に鞘を用意する。
刀をおさめる鞘も、神聖巫連盟では鍛冶師が作る。
生まれた子と共に森を歩き、鞘に相応しい物を探し出すのだ。
刀は鞘に収められ、昼夜問わずの作業が終わる。
緊張が途切れたのか倒れそうになりながら、壁に背をあずける。
心配そうにする式神。
「次はこの子のためにお宮参りに行かにゃきゃね」
式神に微笑みかけながらそのまま眠りに落ちていった。
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