神聖巫連盟 : 国内業務用掲示板

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T16用連絡つりー 藻女@神聖巫連盟 10/3/19(金) 20:42

:T16用アイドレス作成:高位東国人+式神使い+式使... 藻女@神聖巫連盟 10/4/6(火) 21:48
要点、周辺環境(鍛冶以外) 藻女@神聖巫連盟 10/4/8(木) 18:44
鍛冶 藻女@神聖巫連盟 10/4/13(火) 0:48
東京について 藻女@神聖巫連盟 10/4/13(火) 21:07
現在の方針 藻女@神聖巫連盟 10/4/8(木) 18:51
Re:現在の方針 信乃 10/4/11(日) 16:28
ありがとうございます 藻女@神聖巫連盟 10/4/11(日) 23:00
鍛冶師(文案) みぽりん 10/4/11(日) 22:57
鍛冶師SS(文案) みぽりん 10/5/5(水) 17:00
修正中 藻女@神聖巫連盟 10/5/8(土) 20:39
Re:修正中 藻女 10/6/21(月) 1:00
一部完成 藻女 10/6/22(火) 1:36
鍛冶師 文1 完成? 藻女 10/7/17(土) 23:03
鍛冶師 文2 藻女 10/7/17(土) 23:04
文章確認しました ミツキ 10/10/8(金) 1:39
イラスト作業報告 ミツキ 10/10/6(水) 2:38 [添付]
鍛冶師イラスト ミツキ 10/10/8(金) 0:33 [添付][添付]
建物 ミツキ 10/10/8(金) 23:47 [添付]
Re:建物 ミツキ 10/10/9(土) 0:20 [添付]
Re:建物 ミツキ 10/10/9(土) 0:53 [添付]

:T16用アイドレス作成:高位東国人+式神使い+式使...
 藻女@神聖巫連盟  - 10/4/6(火) 21:48 -
根源力制限つきが前提です
どういう物を作るかまとめていきたいと思います

引用なし

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要点、周辺環境(鍛冶以外)
 藻女@神聖巫連盟  - 10/4/8(木) 18:44 -
鍛冶師の要点、周辺環境が判明次第この記事に返信して追加します

 t:名称 = 高位東国人(人)
 t:要点 = 東洋風の服装,東洋風の人材,黒い髪,頭環
 t:周辺環境 = 和風の王宮

 t:名称 = 式神使い(職業)
 t:要点 = 式神,御札
 t:周辺環境 = 東京

 t:名称 = 式使い(職業)
 t:要点 = 閉じた口,印,動き出す紙
 t:周辺環境 = 日本家屋

引用なし

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現在の方針
 藻女@神聖巫連盟  - 10/4/8(木) 18:51 -
根源力制限をつける、式使い+式神使いに組み込む
以上以外の方針について決まり次第、もしくは要望があって変更があれば修正報告をしていきます。

現在の所、それを満たすためのやり方として
1・鍛冶師に技術が必要である事を強調することで根源力制限を狙う
2・機械化が進み伝統技術であるところの鍛冶師の技術がなくなる事を警戒して活躍の場がなかった式使い達に学ん出来て貰えないか依頼するという形で式使い、式神使いとの組み込む理由とする
以上を考えています。
変えたほうが良さそうな点などありましたらチャットにでも書置きするか、こちらに返信下さい

引用なし

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Re:現在の方針
 信乃  - 10/4/11(日) 16:28 -
1と2はなんとなくですが、矛盾しているような気がするのですが。
根源力制限がつくほど高い技術が必要なのに、式神使いが練習してすぐに習得できるような技術って、技術的に高いものなのだろうか?という印象を持ちました。
それよりも、たとえば、式神を使役して鍛冶をするために高い技術を必要とする、って感じにした方が良いのではないでしょうか?


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ここから下は一年近く前に作ったものなので、今必要とされてるものとは関係ないかもしれませんが、何かの役に立ちそうなら適当に追記したり削除したり編集して使って下さい。

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鍛冶屋と鍛冶師

巫において鉄を扱うことを生業とする者は二つの名称で呼ばれる。ひとつは鍛冶屋、もうひとつが鍛冶師である。この二つの職業は鉄を加工することにおいてはほぼ等しい存在であるが、決定的な違いもまた存在する。
 『鋼を作るか否か』
鍛冶師達の製鉄は昔ながらのたたら製法によって鉄鋼を作り出すのだが、周辺諸藩国の技術に比べるとたたら製法によって得られる鉄は品質は優れていても少量でさらに鉄鋼の品質が安定していないため、職人達の技量が大きく問われる扱いの難しい鉄鋼しか生み出されない。そのため、一般的な鍛冶屋達は品質の安定している他国の鋼材を用いることも少なくない。しかし、鍛冶師達は違う。彼らは自ら砂鉄や鉄鉱石を集め、自分たちの用いるための鋼材を自分たちで作り出す、昔ながらの製法を忠実に守って。これが、鍛冶屋と鍛冶師の最大にして絶対的な違いとなっている。

巫鋼(かんなぎはがね、かんなぎこう)

鍛冶師達の製鉄はたたら製法によって砂鉄や鉄鉱石を鋼材へと精製する。たたら製法によって得られる鋼材は砂鉄もしくは鉄鉱石1000kgに対して300kg前後である。その300kgのうち200kg前後が一般的な鋼材であり、残り100kg前後が玉鋼と呼ばれる良質の鋼となる。
この良質の玉鋼をさらに製鋼し、高炭素鋼材に仕上げたものが巫鋼と言われる鉄材である。玉鋼までの製造はたたら製法さえ知っていればほぼ誰でも精製は可能であるが、巫鋼は鍛冶師でなくては作れない。特別な素材を必要とするわけではないが、質の良い鉄鉱石を質の高いたたら製法によって作り出した玉鋼からしか良質の巫鋼を生み出すことはできない。原石を見分ける目と安定した高い製鉄技術、これらを持ちうる者だけが巫鋼を作れ、それは鍛冶師以外にいないのである。
巫鋼は一般的な鋼材よりも軽く、硬く、なにより錆びにくい。他藩国ではステンレス素材と呼ばれる鋼材が最も近いだろうか。古く異国の鋼材などを調べてみるとダマスカス鋼、ウーツ鋼などに類似した鋼材である。「百年経っても変わらない」それが巫鋼の最大の特徴である。
巫鋼は国内に限って言えば武器や農具に使われることはほとんどない。これらを作るのが鍛冶師ではなく鍛冶屋の仕事であるというのも理由のひとつとしてあるが、巫鋼の起源は奉具、祭儀品として神祇の道具を作成するための鋼材であることに由来している。仮にも神様への供物や破魔、封魔の道具が十年やそこら野ざらしにされただけで腐食してしまうのは鍛冶師達の誇りが許さなかったらしい。そのようなわけで宝剣、法刀、錫杖、杯、ときには鉄柱、祭壇、燭台に至るまで、呪術や祭儀のあらゆる道具が巫鋼によって作られている。

製鉄と環境

製鉄と環境汚染とは切っても切れない関係にある。とくにたたら製法において鉄を精製するためには、一般的な燃料を使用せず、大量の木炭を必要とし、その量は精製する原石とほぼ同量にまでなる。そのうえ木炭を全て燃やし尽くしてしまうのだから大量の二酸化炭素を排出する。そして二酸化炭素を浄化するための森は木炭を作るために切り崩されていくのだから、鍛冶師達の製鉄と環境汚染は表裏一体の関係にあるのだ。
そのため、国としてはなんらかの対策を講じなくてはならなかった。
ひとつは鍛冶師達の木炭を作るためだけの植林地を設けた。鍛冶師達が使用する木炭はそこからしか使用することができず、また逆に、その植林地から作られた木炭は鍛冶師達にしか流通しないように制限を設けた。この制限によって鍛冶師達の作り出す鋼材の量が減るのではないかと懸念されたが、そもそも巫国内の鍛冶師の数はそれほど多くなく、また、一回の製鉄で半年から一年は保つこともあいまって、鍛冶師達が年間消費する木炭の量は植林地から作られる木炭量を上回ることはなかった。
もうひとつは古くなった巫鋼の再利用である。いかに巫鋼が優れていると言っても道具として利用すれば欠損もすれば壊れもする。利用できなくはないが、使用するのはためらわれる、そういった古い巫鋼製品をもう一度鋼材として精製し直すのである。再精製された巫鋼は国事や大祭などに使われることはほとんどないが、近年増えつつある式神使いの術具や修行中の身である神祇官見習いの練習道具など、日常的に術具、祭儀道具を使用する人々の間で広く用いられている。


神人二振りの太刀

鍛冶師になる者の最初の仕事は二振りの太刀を打つことである。ひとつは鍛冶の神への奉物として、ひとつは世間に自らの腕を披露するためのものとして。ただし、これはただ二振りの太刀を打てば良いわけではない。その二振りは全く同質の、いや、限りなく同一の太刀として作らなくてはならないのだ。たとえ巫中探しても並ぶ物のない大業物を作っても、もう一本同じ太刀を打てない限りその者は鍛冶師と呼ばれることはけしてない。まぐれは二度続かない。それを体現するシステムなのである。多くの鍛冶屋達はこのシステムの前に鍛冶師とはなれず、一握りの鍛冶師達はこのシステムによってその腕を認められる。
ここで作られた太刀は一つは社で厳重に保管され、もうひとつは鍛冶師の手元に残るが、多くの鍛冶師達は初心を忘れないためとか、自らの腕を披露するためとか様々な理由から手元に残し、一般に流通されることは滅多にない。

引用なし

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鍛冶師(文案)
 みぽりん  - 10/4/11(日) 22:57 -
一応考えましたが、信乃さんのでいい気がします。

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T15 神聖巫連盟戦は熾烈を極めた。


激しい戦闘の後。


不幸な大人や子どもをみて


ある者は思った。
弱きを守るための力が欲しいと。


またある者は思った。
神聖巫連盟を守ってくださる神々にささげられるようなものを作りたいと。


荒れた国内をみて。
畑や田を耕す鍬(くわ)や鋤(すき)。作物を刈り取る鎌(かま)、脱穀するための千歯扱き (せんばこき)。
豊かな実りをもう一度この国によみがえらせたい。目の前の飢えた子においしいものを食べさせたいと、思った者もいた。


荒れ果てた建物で夜露をしのぐ姿を見て、建物の復興を思った者もいた。


国民の様々な思いは「鍛冶師」という職業の発展に結びついた。


(イラスト)


そもそも神聖巫連盟は「戦いだけで生計を立てることのないように」という方針がとられている。
鍛冶師は主として鉄製品を扱い、刀子(とうす)などの刃物、金槌、鍬などの製造販売、修理を行う。
農業国でもある神聖巫連盟から鍛冶が発展したのは必然であったともいえる。
また鍛冶師は刀子に限らず、大工道具の製作も行っている。
これらが建築家の支えとなり、国の復興に役立ったのはいうまでもない。
☆刀子(とうす)とは。
長さ15〜30cm程度。ものを切る、削るなど加工の用途に用いられる工具の一種である。
一般的には加工工具として用いられる他、古代の東洋においては刀子は文人・文官を象徴するものでもある。


鍛冶師は職人でもある。
親方や兄弟子の仕事を目で覚え、自ら試行錯誤を何十年も繰り返してようやく基礎ができる。
「5年でタマゴ。10年でひよっこ。一生かけても満足いくものなんてそうはできやしないものさ」
とは、ある鍛冶師の言葉である。


そのため鍛冶師を名乗るのは名誉であるとともに、生半可な腕ではとても名乗ることなどできない。
作り上げたものは決して嘘をつかないからだ。


鍛冶師は、刀鍛冶、農具鍛冶(野鍛冶)・庖丁鍛冶など。作る品目により細かく分類されることもある。
刀や鍛冶で作ったものは神へのささげものにもしたりする。


また、鍛冶は神事でもある。装束を身につけ行程の節目に儀式を行う生業でもある。

引用なし

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ありがとうございます
 藻女@神聖巫連盟  - 10/4/11(日) 23:00 -
出している時に矛盾するとは思いましたが、まずは案を出していく事を優先しました。
最終的に消すとしても何もださないままだと集まらないと思いますし、式神との関係をどうしていくかが難しいので

今のところ
http://cwtg.jp/qabbs/bbs2.cgi?action=article&id=8609
の質疑でも出している刀子を建築家があることもあって作って見たいとは思っていますが、それ以外は要点、周辺環境待ちの所が大きいです。
判明分では東京が難しそうですね。

作ってくださった分は使わしてもらいます。
ありがとうございました

引用なし

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鍛冶
 藻女@神聖巫連盟  - 10/4/13(火) 0:48 -
L:鍛冶師 = {
 t:名称 = 鍛冶師(職業)
 t:要点 = 正装、鍛冶、手伝う式神。
 t:周辺環境 = 夜

引用なし

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東京について
 藻女@神聖巫連盟  - 10/4/13(火) 21:07 -
藻女 の発言 :
こんばんは
久珂あゆみ の発言 :
こんばんは
藻女 の発言 :
現在作成中の鍛冶師の組み合わせの職業の周辺環境に東京があり、その要点を満たす方法を現在探しているところなんですが、不動産屋さんが東京であったら大工道具を作ってそちらにおろせるように努力していいか相談に参りました 今時間よろしいでしょうか?
久珂あゆみ の発言 :
こんばんは はい
久珂あゆみ の発言 :
ええ いんではないでしょうかー A&Sですよね たぶんFEGにあるんで
久珂あゆみ の発言 :
質疑で安全性さえ確認していただければ こちらは よいですよ
建築家さんにはいつもお世話になってますし
藻女 の発言 :
すいません、それでは質疑してきます。他に東京で要点を満たせる方法がある国が見つからなかったのでもうしわけありません
久珂あゆみ の発言 :
はーい ではー
藻女 の発言 :
灰、それではお邪魔しました

引用なし

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鍛冶師SS(文案)
 みぽりん  - 10/5/5(水) 17:00 -
信乃さんの文につけくわえて載せるSSな感じです。
#一応要点と周辺環境をいれられるだけいれました。
#何か不足していたらおしえてください。


t:名称 = 高位東国人(人)
 t:要点 = 東洋風の服装,東洋風の人材,黒い髪,頭環
 t:周辺環境 = 和風の王宮

 t:名称 = 式神使い(職業)
 t:要点 = 式神,御札
 t:周辺環境 = 東京

 t:名称 = 式使い(職業)
 t:要点 = 閉じた口,印,動き出す紙
 t:周辺環境 = 日本家屋
L:鍛冶師 = {
 t:名称 = 鍛冶師(職業)
 t:要点 = 正装、鍛冶、手伝う式神。
 t:周辺環境 = 夜


>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>

神聖巫連盟。
藩王も国の寮に住まうお国柄である。
和風の王宮ともいえる政庁には、むしろ国家祭事に関するものが多く集められている。

王宮内にある「禊の間」の夜。
水源からこんこんと湧き出る清らな水が、川となって禊の間に流れをつくる。
禊の間、といっても室内ではない。
この空間をそう称するのである。
夜の闇のなかで白い着物を身にまとった一人の鍛冶師が神への祈りをささげながら冷水を浴び続ける。
黒髪から滴り落ちる水が月光に照らされわずかに光った。
黒髪の間からのぞく頭環。
鍛冶師は無表情。

いつのまにか夜は白み、朝日に照らされた瞬間を狙って。
鍛冶師は口を閉じたまま印を結び、式神を召喚する。
動き出す、紙。
「紙」は「神」となり、求めに応じて式神として具現化する。
大きな翼を広げ、夜と朝の境を飛ぶ式神。
暁の空をくるりと飛ぶと、鍛冶師の肩にとまる。
そこで優しい顔になって、鍛冶師は式神をなでた。

そして真白な正装に着替える。
腰には「二振りの太刀」の一振り。


禊の終わった鍛冶師は鍛冶場へと向かう。
日本家屋にある鍛冶師の家の一角に鍛冶場はあった。
印を唱えると、ぴしりと音をたて御札が動き出す。
定まった位置に御札があることを確認すると鍛冶師は詠唱を始める。
声にあわせて、式神も詠唱をする。


炉に砂鉄と木炭を、中の様子をみながら投入してゆく。
特性にあわせて少量ずつ処理して、脱炭や吸炭を行う。
羽口からは細心の注意を払いながらどろりと赤白く溶けた鉄に鞴(ふいご)で空気を吹き付ける。
空気を吹き付けられた鉄は燃焼する。
こうすることで鉄は完全な液体となる。

材料の性質、火のかげん、造るもののこと。
ものを知らなければ良いものは造れない。
経験を通して身体で学ぶことも多い。

ノロ出し口をあけると砂鉄に含まれる不純物と炉の土が反応して出来た「ノロ」が出てくる。


その後、炉を解体する。
そして真っ赤に焼けた「けら」を水に焼きいれる。
この「けら」を打ち砕き、良質だが少量の「玉鋼」(たまはがね)と多量の銑鉄(せんてつ。「ずく」ともよばれる)が得られる。

得られた「玉鋼」を刀に切り出す。
炉で真っ赤になるほど熱し、ハンマーで叩くのだ。
ハンマーとタガネを使い、適当な大きさに切り分けられた後、熱せられる。

炉で赤くした地金と鋼をハンマーでくっつけ、叩き伸ばして鍛えてゆく。
鍛錬を繰り返すことにより、不純物が外に出てゆき、固くて曲がりにくい刃ができる。
ここでどれくらい「ねばり」を残すかも、鍛冶師の力量の一つといえよう。

焼き入れ、焼き戻しを繰り返し調節を繰り返す。

ハカマ(口金:柄の先にはめる金の輪。固いものを斬ったときの衝撃から柄が割れるのを防ぐ)を刀にあわせて造る。

そして「研ぎ」をする。
刃が食い込むにつれ、切る対象を押し開く厚さがいるが、かといって摩擦で入り込んでいかないのも困る。鍛冶師は絶妙な調整をしながら完成させてゆく。

目立て(刃をつける)をし、柄の部分に穴をあけ、使いやすく造った柄を組み付ける。

刀をおさめる鞘も、神聖巫連盟では鍛冶師が作る。


昼夜問わずの作業。
全体の調整を済ませた刀が完成する。
歌うような詠唱のなかで作業は終わった。
鍛冶師はやっと、ふうという人間らしい息をもらし、壁に背をあずける。
すりよる式神。
「お疲れ様」
ねぎらいの言葉をかけ、そっと式神をなでると、嬉しそうな様子をみせた。


このように製造される鍛冶師の製作した道具は人気が高い。
建築家の縁もあり、東京にあるFEGに建築家の道具を卸している。

引用なし

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修正中
 藻女@神聖巫連盟  - 10/5/8(土) 20:39 -
どういう使い方の予定かもう一度確認してから進めます
その前に編成進めます


神聖巫連盟。
藩王も国の寮に住まうお国柄である。
和風の王宮ともいえる政庁は住居などではなくもっぱら祭事(まつりごと)と政事(まつりごと)のために使われている。

王宮内にある「禊の間」の夜。
ここは天より地上に降り注ぎ、大地に潜った水が地上に再び生まれ出て川が始る所。
壁があるわけでも屋根があるわけでもない、けれどここは身を清めるための神聖な空間。


月光に輝く白い装束を纏い、一人禊を行う
滴り落ちる水が月光に照らされわずかに光った。
黒髪の間からのぞく頭環。


鍛冶師は口を閉じたまま印を結び、式神を召喚する。
姿形は異なっても共に同じ道を歩む半身。
真白な正装に、腰に「二振りの太刀」の一振りを佩き鍛冶師は


禊の終わった鍛冶師は鍛冶場へと向かう。
日本家屋にある鍛冶師の家の一角に鍛冶場はあった。
印を唱えると、ぴしりと音をたて御札が動き出す。
定まった位置に御札があることを確認すると鍛冶師は詠唱を始める。
声にあわせて、式神も詠唱をする。


炉に砂鉄と木炭を、中の様子をみながら投入してゆく。
特性にあわせて少量ずつ処理して、脱炭や吸炭を行う。
羽口からは細心の注意を払いながらどろりと赤白く溶けた鉄に鞴(ふいご)で空気を吹き付ける。
空気を吹き付けられた鉄は燃焼する。
こうすることで鉄は完全な液体となる。

材料の性質、火のかげん、造るもののこと。
ものを知らなければ良いものは造れない。
経験を通して身体で学ぶことも多い。

ノロ出し口をあけると砂鉄に含まれる不純物と炉の土が反応して出来た「ノロ」が出てくる。


その後、炉を解体する。
そして真っ赤に焼けた「けら」を水に焼きいれる。
この「けら」を打ち砕き、良質だが少量の「玉鋼」(たまはがね)と多量の銑鉄(せんてつ。「ずく」ともよばれる)が得られる。

得られた「玉鋼」を刀に切り出す。
炉で真っ赤になるほど熱し、ハンマーで叩くのだ。
ハンマーとタガネを使い、適当な大きさに切り分けられた後、熱せられる。

炉で赤くした地金と鋼をハンマーでくっつけ、叩き伸ばして鍛えてゆく。
鍛錬を繰り返すことにより、不純物が外に出てゆき、固くて曲がりにくい刃ができる。
ここでどれくらい「ねばり」を残すかも、鍛冶師の力量の一つといえよう。

焼き入れ、焼き戻しを繰り返し調節を繰り返す。

ハカマ(口金:柄の先にはめる金の輪。固いものを斬ったときの衝撃から柄が割れるのを防ぐ)を刀にあわせて造る。

そして「研ぎ」をする。
刃が食い込むにつれ、切る対象を押し開く厚さがいるが、かといって摩擦で入り込んでいかないのも困る。鍛冶師は絶妙な調整をしながら完成させてゆく。

目立て(刃をつける)をし、柄の部分に穴をあけ、使いやすく造った柄を組み付ける。

刀をおさめる鞘も、神聖巫連盟では鍛冶師が作る。


昼夜問わずの作業。
全体の調整を済ませた刀が完成する。
歌うような詠唱のなかで作業は終わった。
鍛冶師はやっと、ふうという人間らしい息をもらし、壁に背をあずける。
すりよる式神。
「お疲れ様」
ねぎらいの言葉をかけ、そっと式神をなでると、嬉しそうな様子をみせた。


このように製造される鍛冶師の製作した道具は人気が高い。
建築家の縁もあり、東京にあるFEGに建築家の道具を卸している。

引用なし

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Re:修正中
 藻女  - 10/6/21(月) 1:00 -
鍛冶屋と鍛冶師

巫において鉄を扱うことを生業とする者は二つの名称で呼ばれる。ひとつは鍛冶屋、もうひとつが鍛冶師である。この二つの職業は鉄を加工することにおいてはほぼ等しい存在であるが、決定的な違いもまた存在する。
 『鋼を作るか否か』
鍛冶師達の製鉄は昔ながらのたたら製法によって鉄鋼を作り出すのだが、周辺諸藩国の技術に比べるとたたら製法によって得られる鉄の品質は優れているものの少量でさらに鉄鋼の品質が安定していないため、職人達の技量が大きく問われる扱いの難しい鉄鋼しか生み出されない。また、あまりに多くのものが国内で鉄作りを行うと環境負荷がひどくなるという理由で鍛冶師として認められたもの以外の鉄作りは大幅に制限されているので、一般的な鍛冶屋達は品質の安定している他国の鋼材を用いることが多い。しかし、鍛冶師達は自ら砂鉄や鉄鉱石を集め、自分たちの用いるための鋼材を自分たちで作り出す、昔ながらの製法を忠実に守って。これが、鍛冶屋と鍛冶師の最大にして絶対的な違いとなっている。

巫鋼(かんなぎはがね、かんなぎこう)

鍛冶師達の製鉄はたたら製法によって砂鉄や鉄鉱石を鋼材へと精製する。たたら製法によって得られる鋼材は砂鉄もしくは鉄鉱石1000kgに対して300kg前後である。その300kgのうち200kg前後が一般的な鋼材であり、残り100kg前後が玉鋼と呼ばれる良質の鋼となる。
この良質の玉鋼をさらに製鋼し、高炭素鋼材に仕上げたものが巫鋼と言われる鉄材である。玉鋼までの製造はたたら製法さえ知っていればほぼ誰でも精製は可能であるが、巫鋼は鍛冶師でなくては作れない。特別な素材を必要とするわけではないが、質の良い鉄鉱石を質の高いたたら製法によって作り出した玉鋼からしか良質の巫鋼を生み出すことはできない。原石を見分ける目と安定した高い製鉄技術、これらを持ちうる者だけが巫鋼を作れ、それは鍛冶師以外にいないのである。
巫鋼は一般的な鋼材よりも軽く、硬く、なにより錆びにくい。他藩国ではステンレス素材と呼ばれる鋼材が最も近いだろうか。古く異国の鋼材などを調べてみるとダマスカス鋼、ウーツ鋼などに類似した鋼材である。「百年経っても変わらない」それが巫鋼の最大の特徴である。建築家が千年先も変わらぬ神社を建てると言っているのと比べると劣ると思われるかもしれないが、彼らの言葉は千年経とうと変わらぬ信仰が集う神社を建ててみせるというものであり、巫鋼の時間によって劣化しないと誇っているのとは意味合いが異なる。
そんな巫鋼であるが、国内で一般に使用される武器や農具の材料に使われていることはほとんどない。それらを作るのが鍛冶師ではなく鍛冶屋の仕事であるというのも理由のひとつとしてあるが、巫鋼の起源は奉具、祭儀品として神祇の道具を作成するための鋼材であることに由来している。したがって、祭儀や神田で使用するための道具としては武器や農具も作り、奉納されてきた。

ただ、鍛冶師の作ったものは滅多な事では損なわれず、また、神社が保有するような品は依頼されずとも自分の腕を示すため、神々への感謝のためなど理由は異なっても、鍛冶師が奉納してきた物であるため、役目として誇っているが収入を得る手段としての仕事とは異なる。とはいえ鍛冶師と認められた者には、年に一度鍛冶師の資格の更新と、宮大工のための大工道具や釘の確保のため依頼される国からの仕事に応えていれば、他の仕事を探さずとも食べていくには十分な援助金が手に入るのでお金目当てに働く必要はない。もっともこれは鍛冶師と認められるほどの者にお金に無頓着な者が多かったため保護を図ろうと行われたというのが正しいだろう。そのため万が一鍛冶師が十分な人数集まるような事があればその支援の形は変化すると考えられる。


製鉄と環境

製鉄と環境汚染とは切っても切れない関係にある。とくにたたら製法において鉄を精製するためには、一般的な燃料を使用せず、大量の木炭を必要とし、その量は精製する原石とほぼ同量にまでなる。そのうえ木炭を全て燃やし尽くしてしまうのだから大量の二酸化炭素を排出する。そして二酸化炭素を浄化するための森は木炭を作るために切り崩されていくのだから、鍛冶師達の製鉄と環境汚染は表裏一体の関係にあるのだ。いくら今は鍛冶師が少ないとはいえ、増えることを願っている国としてなんらかの対策を講じる事に決めた。
そのひとつは鍛冶師達の木炭を作るためだけの植林地を設けた事だ。鍛冶師達が使用する木炭はそこからしか使用しないようにし、また逆に、その植林地から作られた木炭は鍛冶師達にしか流通しないように制限を設けた。この制限によって鍛冶師達の作り出す鋼材の量が減るのではないかと懸念する者もいたが、そもそも巫国内の鍛冶師は数えるほどしかくない上、一回の製鉄で半年から一年は保つこともあいまって、鍛冶師達が年間消費する木炭の量は植林地から作られる木炭量を上回ることはなかった。
もうひとつは古くなった巫鋼の再利用である。もっともこれは大概の品物で多かれ少なかれ行われている事ではある。しかし、決して壊れないわけでも自己再生するわけでもないため、長年道具として利用すれば欠損もすれば壊れる物だって生まれる事があるとはいえ優れている事ばかり強調されて知られているため、一般の者が特別視するのも仕方がないのかもしれない。そしてそのために、古い巫鋼製品をもう一度鋼材として精製し直すという行為を不死鳥に喩えられる事もあるという。

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一部完成
 藻女  - 10/6/22(火) 1:36 -
鍛冶屋と鍛冶師

巫において鉄を扱うことを生業とする者は二つの名称で呼ばれる。ひとつは鍛冶屋、もうひとつが鍛冶師である。この二つの職業は鉄を加工することにおいてはほぼ等しい存在であるが、決定的な違いもまた存在する。
 『鋼を作るか否か』
鍛冶師達の製鉄は昔ながらのたたら製法によって鉄鋼を作り出すのだが、周辺諸藩国の技術に比べるとたたら製法によって得られる鉄の品質は優れているものの少量でさらに鉄鋼の品質が安定していないため、職人達の技量が大きく問われる扱いの難しい鉄鋼しか生み出されない。また、あまりに多くのものが国内で鉄作りを行うと環境負荷がひどくなるという理由で鍛冶師として認められたもの以外の鉄作りは大幅に制限されているので、一般的な鍛冶屋達は品質の安定している他国の鋼材を用いることが多い。しかし、鍛冶師達は自ら砂鉄や鉄鉱石を集め、自分たちの用いるための鋼材を自分たちで作り出す、昔ながらの製法を忠実に守って。これが、鍛冶屋と鍛冶師の最大にして絶対的な違いとなっている。

巫鋼(かんなぎはがね、かんなぎこう)

鍛冶師達の製鉄はたたら製法によって砂鉄や鉄鉱石を鋼材へと精製する。たたら製法によって得られる鋼材は砂鉄もしくは鉄鉱石1000kgに対して300kg前後である。その300kgのうち200kg前後が一般的な鋼材であり、残り100kg前後が玉鋼と呼ばれる良質の鋼となる。
この良質の玉鋼をさらに製鋼し、高炭素鋼材に仕上げたものが巫鋼と言われる鉄材である。玉鋼までの製造はたたら製法さえ知っていればほぼ誰でも精製は可能であるが、巫鋼は鍛冶師でなくては作れない。特別な素材を必要とするわけではないが、質の良い鉄鉱石を質の高いたたら製法によって作り出した玉鋼からしか良質の巫鋼を生み出すことはできない。原石を見分ける目と安定した高い製鉄技術、これらを持ちうる者だけが巫鋼を作れ、それは鍛冶師以外にいないのである。
巫鋼は一般的な鋼材よりも軽く、硬く、なにより錆びにくい。他藩国ではステンレス素材と呼ばれる鋼材が最も近いだろうか。古く異国の鋼材などを調べてみるとダマスカス鋼、ウーツ鋼などに類似した鋼材である。「百年経っても変わらない」それが巫鋼の最大の特徴である。建築家が千年先も変わらぬ神社を建てると言っているのと比べると劣ると思われるかもしれないが、彼らの言葉は千年経とうと変わらぬ信仰が集う神社を建ててみせるというものであり、巫鋼の時間によって劣化しないと誇っているのとは意味合いが異なる。
そんな巫鋼であるが、国内で一般に使用される武器や農具の材料に使われていることはほとんどない。それらを作るのが鍛冶師ではなく鍛冶屋の仕事であるというのも理由のひとつとしてあるが、巫鋼の起源は奉具、祭儀品として神祇の道具を作成するための鋼材であることに由来している。したがって、祭儀や神田で使用するための道具としては武器や農具も作り、奉納されてきた。

ただ、鍛冶師の作ったものは滅多な事では損なわれず、また、神社が保有するような品は依頼されずとも自分の腕を示すため、神々への感謝のためなど理由は異なっても、鍛冶師が奉納してきた物であるため、役目として誇っているが収入を得る手段としての仕事とは異なる。とはいえ鍛冶師と認められた者には、年に一度鍛冶師の資格の更新と、宮大工のための大工道具や釘の確保のため依頼される国からの仕事に応えていれば、他の仕事を探さずとも食べていくには十分な援助金が手に入るのでお金目当てに働く必要はない。もっともこれは鍛冶師と認められるほどの者にお金に無頓着な者が多かったため保護を図ろうと行われたというのが正しいだろう。そのため万が一鍛冶師が十分な人数集まるような事があればその支援の形は変化すると考えられる。


製鉄と環境

製鉄と環境汚染とは切っても切れない関係にある。とくにたたら製法において鉄を精製するためには、一般的な燃料を使用せず、大量の木炭を必要とし、その量は精製する原石とほぼ同量にまでなる。そのうえ木炭を全て燃やし尽くしてしまうのだから大量の二酸化炭素を排出する。そして二酸化炭素を浄化するための森は木炭を作るために切り崩されていくのだから、鍛冶師達の製鉄と環境汚染は表裏一体の関係にあるのだ。いくら今は鍛冶師が少ないとはいえ、増えることを願っている国としてなんらかの対策を講じる事に決めた。
そのひとつは鍛冶師達の木炭を作るためだけの植林地を設けた事だ。鍛冶師達が使用する木炭はそこからしか使用しないようにし、また逆に、その植林地から作られた木炭は鍛冶師達にしか流通しないように制限を設けた。この制限によって鍛冶師達の作り出す鋼材の量が減るのではないかと懸念する者もいたが、そもそも巫国内の鍛冶師は数えるほどしかくない上、一回の製鉄で半年から一年は保つこともあいまって、鍛冶師達が年間消費する木炭の量は植林地から作られる木炭量を上回ることはなかった。
もうひとつは古くなった巫鋼の再利用である。もっともこれは大概の品物で多かれ少なかれ行われている事ではある。しかし、決して壊れないわけでも自己再生するわけでもないため、長年道具として利用すれば欠損もすれば壊れる物だって生まれる事があるとはいえ優れている事ばかり強調されて知られているため、一般の者が特別視するのも仕方がないのかもしれない。そしてそのために、古い巫鋼製品をもう一度鋼材として精製し直すという行為を不死鳥に喩えられる事もあるという。


神人二振りの太刀

鍛冶師になる者の試験にして最初の仕事は二振りの太刀を打つことである。もちろん、ただ二振りの太刀を打てば良いわけではない。その二振りは、限りなく同一の太刀として作らなくてはならないのだ。どんな大業物を作っても、それこそ神剣が生まれてしまう事があったとしても、繰り返しそれほどの太刀を生み出せない限りは鍛冶師の資格はない。まぐれは二度続かない。それを体現するシステムなのである。ただし、その上で機械のようにただ全く同じ太刀を生み出しても認められる事はない。外見や質は同じでも二つの太刀に違いを持たせる事ができなければいけないのである。闇と光、心と体、生と死、相反する二つは互いに互いの存在を必要とするという陰陽の考え方が根付いているのであろう。そしてこれが鍛冶師に式神使いの素養が必要といわれる理由でもある。多くの鍛冶屋達はこの試験の前に鍛冶師とはなれず、試験を突破したものは鍛冶師として認められる事となる。
この試験で鍛えられた太刀は多くの場合、鍛冶師が自ら鍛冶師と認められた事の報告と共に一振りを奉納し、そしてもう一振りが初心を忘れないためにと手元に置かれることとなる。

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鍛冶師 文1 完成?
 藻女  - 10/7/17(土) 23:03 -
鍛冶屋と鍛冶師

巫において鉄を扱うことを生業とする者は二つの名称で呼ばれる。ひとつは鍛冶屋、もうひとつが鍛冶師である。この二つの職業は鉄を加工することにおいてはほぼ等しい存在であるが、決定的な違いもまた存在する。
 『鋼を作るか否か』
鍛冶師達の製鉄は昔ながらのたたら製法によって鉄鋼を作り出すのだが、周辺諸藩国の技術に比べるとたたら製法によって得られる鉄の品質は優れているものの少量でさらに鉄鋼の品質が安定していないため、職人達の技量が大きく問われる扱いの難しい鉄鋼しか生み出されない。また、あまりに多くのものが国内で鉄作りを行うと環境負荷がひどくなるという理由で鍛冶師として認められたもの以外の鉄作りは大幅に制限されているので、一般的な鍛冶屋達は品質の安定している他国の鋼材を用いることが多い。しかし、鍛冶師達は自ら砂鉄や鉄鉱石を集め、自分たちの用いるための鋼材を自分たちで作り出す、昔ながらの製法を忠実に守って。これが、鍛冶屋と鍛冶師の最大にして絶対的な違いとなっている。

巫鋼(かんなぎはがね、かんなぎこう)

鍛冶師達の製鉄はたたら製法によって砂鉄や鉄鉱石を鋼材へと精製する。たたら製法によって得られる鋼材は砂鉄もしくは鉄鉱石1000kgに対して300kg前後である。その300kgのうち200kg前後が一般的な鋼材であり、残り100kg前後が玉鋼と呼ばれる良質の鋼となる。
この良質の玉鋼をさらに製鋼し、高炭素鋼材に仕上げたものが巫鋼と言われる鉄材である。玉鋼までの製造はたたら製法さえ知っていればほぼ誰でも精製は可能であるが、巫鋼は鍛冶師でなくては作れない。特別な素材を必要とするわけではないが、質の良い鉄鉱石を質の高いたたら製法によって作り出した玉鋼からしか良質の巫鋼を生み出すことはできない。原石を見分ける目と安定した高い製鉄技術、これらを持ちうる者だけが巫鋼を作れ、それは鍛冶師以外にいないのである。
巫鋼は一般的な鋼材よりも軽く、硬く、なにより錆びにくい。他藩国ではステンレス素材と呼ばれる鋼材が最も近いだろうか。古く異国の鋼材などを調べてみるとダマスカス鋼、ウーツ鋼などに類似した鋼材である。「百年経っても変わらない」それが巫鋼の最大の特徴である。建築家が千年先も変わらぬ神社を建てると言っているのと比べると劣ると思われるかもしれないが、彼らの言葉は千年経とうと変わらぬ信仰が集う神社を建ててみせるというものであり、巫鋼の時間によって劣化しないと誇っているのとは意味合いが異なる。
そんな巫鋼であるが、国内で一般に使用される武器や農具の材料に使われていることはほとんどない。それらを作るのが鍛冶師ではなく鍛冶屋の仕事であるというのも理由のひとつとしてあるが、巫鋼の起源は奉具、祭儀品として神祇の道具を作成するための鋼材であることに由来している。したがって、祭儀や神田で使用するための道具としては武器や農具も作り、奉納されてきた。

ただ、鍛冶師の作ったものは滅多な事では損なわれず、また、神社が保有するような品は依頼されずとも自分の腕を示すため、神々への感謝のためなど理由は異なっても、鍛冶師が奉納してきた物であるため、役目として誇っているが収入目的というわけではない。
もっとも、鍛冶師は大量生産とは違う道を歩まず、一本一本に魂を込めて丁寧に作るために、年間十二対しか作る事を許されていないなど、そもそも鍛冶師という職業自体がお金持ちになるために目指す職業とは異なっている。ただ、それだけでは食べていくのも難しいため、技術を守り、研鑽していくために鍛冶師の資格を持っているものは食べていくのに十分な支援は与えられている。
この支援の主な条件は、国が指定した鍛冶場もしくは指定した範囲に鍛冶場を持っていること、指定した範囲の森の管理をする事の二点。
細かい事を言えば住所の連絡や、鍛冶師として鍛えた物についての報告などあるが、この援助を行うようになって鍛冶師になんかなっても食べていけないと言われることはなくなった。もっとも鍛冶師になりそこなって鍛冶屋になっても十分に食べていけるだろうと認識されるようになったのが一番の理由ではあるのだろうが。


製鉄と環境

製鉄と環境汚染とは切っても切れない関係にある。とくにたたら製法において鉄を精製するためには、一般的な燃料を使用せず、大量の木炭を必要とし、その量は精製する原石とほぼ同量にまでなる。そのうえ木炭を全て燃やし尽くしてしまうのだから大量の二酸化炭素を排出する。そして二酸化炭素を浄化するための森は木炭を作るために切り崩されていくのだから、鍛冶師達の製鉄と環境汚染は表裏一体の関係にあるのだ。いくら今は鍛冶師が少ないとはいえ、増えることを願っている国としてなんらかの対策を講じる事に決めた。
そのひとつは鍛冶師達の木炭を作るためだけの植林地を設けた事だ。鍛冶師達が使用する木炭はそこからしか使用しないようにし、また逆に、その植林地から作られた木炭は鍛冶師達にしか流通しないように制限を設けた。この制限によって鍛冶師達の作り出す鋼材の量が減るのではないかと懸念する者もいたが、そもそも巫国内の鍛冶師は数えるほどしかくない上、一回の製鉄で半年から一年は保つこともあいまって、鍛冶師達が年間消費する木炭の量は植林地から作られる木炭量を上回ることはなかった。
もうひとつは古くなった巫鋼の再利用である。もっともこれは大概の品物で多かれ少なかれ行われている事ではある。しかし、決して壊れないわけでも自己再生するわけでもないため、長年道具として利用すれば欠損もすれば壊れる物だって生まれる事があるとはいえ優れている事ばかり強調されて知られているため、一般の者が特別視するのも仕方がないのかもしれない。そしてそのために、古い巫鋼製品をもう一度鋼材として精製し直すという行為を不死鳥に喩えられる事もあるという。


神人二振りの太刀

鍛冶師になる者の試験にして最初の仕事は二振りの太刀を打つことである。もちろん、ただ二振りの太刀を打てば良いわけではない。その二振りは、限りなく同一の太刀として作らなくてはならないのだ。どんな大業物を作っても、それこそ神剣が生まれてしまう事があったとしても、繰り返しそれほどの太刀を生み出せない限りは鍛冶師の資格はない。まぐれは二度続かない。それを体現するシステムなのである。ただし、その上で機械のようにただ全く同じ太刀を生み出しても認められる事はない。外見や質は同じでも二つの太刀に違いを持たせる事ができなければいけないのである。闇と光、心と体、生と死、相反する二つは互いに互いの存在を必要とするという陰陽の考え方が根付いているのであろう。そしてこれが鍛冶師に式神使いの素養が必要といわれる理由でもある。多くの鍛冶屋達はこの試験の前に鍛冶師とはなれず、試験を突破したものは鍛冶師として認められる事となる。
この試験で鍛えられた太刀は多くの場合、鍛冶師が自ら鍛冶師と認められた事の報告と共に一振りを奉納し、そしてもう一振りが初心を忘れないためにと手元に置かれることとなる。

引用なし

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鍛冶師 文2
 藻女  - 10/7/17(土) 23:04 -
王宮内にある「禊の間」の夜。
ここは天より地上に降り注ぎ、大地に潜った水が地上に再び生まれ出て川が始る所。
壁があるわけでも屋根があるわけでもない、けれどここは身を清めるための神聖な空間。


月光に輝く白い装束を纏い、一人禊を行う
滴り落ちる水が月光に照らされわずかに光った。
黒髪の間からのぞく頭環。


藻女は口を閉じたまま印を結び、式神を召喚する。
式は姿形は異なっても共に同じ道を歩む半身。


禊の終わり鍛冶場へと向かう。
鍛冶場は試験場に用意されたもの。
鍛冶の神を祀り聖域とされた中、鍛冶場として建てられた建物がある。
印を唱えると、ぴしりと音をたて御札が動き出す。
定まった位置に御札があることを確認し、謡いはじめる。
それは生まれてくる子の幸いを願う歌。
健やかに育つ事と祈る子守唄。
古くから続いた詠唱と共に心からの思いを詩にする。
そして槌打つ音の音色を歌に乗せて歌にする。
声にあわせて、式神も謡う。
1人では作れない音色を織り上げ、今生み出すこの子どものためだけの歌を作っていく。


炉に砂鉄と木炭を、中の様子をみながら投入してゆく。
特性にあわせて少量ずつ処理して、脱炭や吸炭を行う。
羽口からは細心の注意を払いながらどろりと赤白く溶けた鉄に鞴(ふいご)で空気を吹き付ける。
空気を吹き付けられた鉄は燃焼する。
こうすることで鉄は完全な液体となる。

材料の性質、火のかげん、造るもののこと。
ものを知らなければ良いものは造れない。
経験を通して身体で学ぶことも多い。

ノロ出し口をあけると砂鉄に含まれる不純物と炉の土が反応して出来た「ノロ」が出てくる。


その後、炉を解体する。
そして真っ赤に焼けた「けら」を水に焼きいれる。
この「けら」を打ち砕き、良質だが少量の「玉鋼」(たまはがね)と多量の銑鉄(せんてつ。「ずく」ともよばれる)が得られる。

得られた「玉鋼」を刀に切り出す。
炉で真っ赤になるほど熱し、槌で叩くのだ。
槌とタガネを使い、適当な大きさに切り分けられた後、熱せられる。

炉で赤くした地金と鋼を槌でくっつけ、叩き伸ばして鍛えてゆく。
鍛錬を繰り返すことにより、不純物が外に出てゆき、固くて曲がりにくい刃ができる。
ここでどれくらい「ねばり」を残すかも、鍛冶師の力量の一つといえよう。

焼き入れ、焼き戻しを繰り返し調節を繰り返す。

ハカマ(口金:柄の先にはめる金の輪。固いものを斬ったときの衝撃から柄が割れるのを防ぐ)を刀にあわせて造る。

そして「研ぎ」をする。
刃が食い込むにつれ、切る対象を押し開く厚さがいるが、かといって摩擦で入り込んでいかないのも困る。鍛冶師は絶妙な調整をしながら完成させてゆく。

目立て(刃をつける)をし、柄の部分に穴をあけ、使いやすく造った柄を組み付ける。


そして最後に鞘を用意する。
刀をおさめる鞘も、神聖巫連盟では鍛冶師が作る。
生まれた子と共に森を歩き、鞘に相応しい物を探し出すのだ。


刀は鞘に収められ、昼夜問わずの作業が終わる。

緊張が途切れたのか倒れそうになりながら、壁に背をあずける。
心配そうにする式神。
「次はこの子のためにお宮参りに行かにゃきゃね」
式神に微笑みかけながらそのまま眠りに落ちていった。

引用なし

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イラスト作業報告
 ミツキ  - 10/10/6(水) 2:38 -
遅くなっていてすみません。
イラスト途中ですが報告します。
7日に出来ればと思っています。

含めるつもりの要点
・東洋風の人材,黒い髪,頭環
・御札
・閉じた口,動き出す紙
・正装


背景に描く予定のもの
・和風の王宮 
又は 
・日本家屋


もしくは
・和風の王宮  
・日本家屋
の絵を別で描こうかと思っています。
添付画像【鍛冶師1.jpg : 41.7KB】

引用なし

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[添付] :鍛冶師1.jpg (41.7KB)

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鍛冶師イラスト
 ミツキ  - 10/10/8(金) 0:33 -
遅くなってすみません。イラストです。

背景が微妙なので
要点を満たしてないかもしれないです・・。すみません。

#刀のイラストは、背景に迷ってた時に描いてみたものです。
#ページに組み入れて大丈夫そうならと思いましたので一緒にあげました。

▼ミツキさん:
>遅くなっていてすみません。
>イラスト途中ですが報告します。
>7日に出来ればと思っています。
>
>含めるつもりの要点
>・東洋風の人材,黒い髪,頭環
>・御札
>・閉じた口,動き出す紙
>・正装
>
>
>背景に描く予定のもの
>・和風の王宮 
>又は 
>・日本家屋
>
>
>もしくは
>・和風の王宮  
>・日本家屋
>の絵を別で描こうかと思っています。
添付画像【鍛冶師2.jpg : 122.5KB】添付画像【刀.jpg : 22.7KB】

引用なし

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[添付] :鍛冶師2.jpg (122.5KB)
[添付] :刀.jpg (22.7KB)

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文章確認しました
 ミツキ  - 10/10/8(金) 1:39 -
ページに組み込んで文章を少しチェックしました。
http://www25.atwiki.jp/nanakazari/pages/327.html
/*/
巫鋼(かんなぎはがね、かんなぎこう)
の下の方の文ですが


もっとも、鍛冶師は大量生産とは違う道を歩まず、一本一本に魂を込めて丁寧に作るために、

↑大量生産とは違う道を歩まず のあたりが色々混じってる感じになってるようです。
こちら確認と修正お願いします。

/*/

次の部分はこうかなー、と思うところは修正してみました。
違っていたら修正お願いします。すみません。


製鉄と環境
の中ほどの文

○そもそも巫国内の鍛冶師は数えるほどしかくない上、

そもそも巫国内の鍛冶師は数えるほどしかいない上、


○欠損もすれば壊れる物だって生まれる事があるとはいえ優れている事ばかり

欠損もすれば壊れる物だって生まれる事がある。とはいえ優れている事ばかり
#↑前の文から繋がりでここで切るのかなと思いました。割と長い感じだったので…

引用なし

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建物
 ミツキ  - 10/10/8(金) 23:47 -
建物描いてみました
添付画像【王宮1.jpg : 193.8KB】

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[添付] :王宮1.jpg (193.8KB)

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Re:建物
 ミツキ  - 10/10/9(土) 0:20 -
色付けました
添付画像【王宮2.jpg : 264.0KB】

引用なし

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[添付] :王宮2.jpg (264.0KB)

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Re:建物
 ミツキ  - 10/10/9(土) 0:53 -
夜に直しました
添付画像【王宮3.jpg : 60.5KB】

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[添付] :王宮3.jpg (60.5KB)

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