▼ミツキさん:
ホットメール登録させていただきました。
何かあったらそちらに連絡差し上げます。
よろしくお願いします。
あと、折り紙職人の文章をもう一度書いてみました。
前回のと設定が違うので、アイドレスのコンセプトとあった方だけ使うのがいいかもしれません。
タイトル:祈り捧げて
ふと、空を見る。なんだ…?空に小さな何かが飛んでいる。
その日だけでなく、次の日もそのまた次の日も。
気になった私はつぶやき仲間である藻女さんにあれが何かを聞きに行った。
聞いたところによると、あれは折り紙だそうだ。折り紙職人達が空に放しているらしい。
"何故そんな事をしているのですか?"と聞くと"本人達に聞いたら?"と返された。
私は折り紙職人の工房を訪ねる事にした。
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部屋一面に並んだ折り紙。その一枚一枚が自動的に折りたたまれ鶴になっていく。
出来上がった鶴はぽとり、とその場に落ちる。
「何かね?」
「折り紙職人の工房を見せていただきにきた者です。いま作られているこれは…」
「見て解るだろう、鶴だよ」
「鶴ですね…、すごい何十、いや百枚くらいの紙が一斉に」
「紙を神となし守となす。折りて織りし、織り守職人。というところかな。ははは」
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夕暮れ前。
私は折り紙職人に連れられて町から外れた高台に来た。
すでに集まっている人達がいる。
その手にはそれぞれ沢山の鶴を持っていた。
「ここで何をされるのですか?」
「じきに解る」
続々と人が集まり、日も沈みかけてきた。
折り紙職人が手を打って注目を集めた。
「皆さん、そろそろ始めましょうか」
そういうと折り紙職人は折った鶴を空に捧げた。
ふわり、と浮かぶ折り鶴。
集まった人達、皆折り鶴を空に捧げている。
ふわり浮かんだ鶴達は風に乗って流れていく。
夕日に照らされ、折り鶴達は美しく飛んだ。
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折り鶴が飛び去った後で聞いた。
「何の為に鶴を飛ばすのですか?」
「さあ、私も正確な意味は知りません。ですが、おそらく祈ってるんじゃないかと私は思います」
「祈る…」
「そう、自分達のできる事で、何か世界の為にしたいのだと思います。最近はそう考えるようになりました」
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今日も折り鶴が飛んでいる。
この風景は巫独特なのだろう。
折り紙職人達の祈り。
私もこの世界が百年続くことを、祈っている。
(文:ガロウ)