神聖巫連盟 : 雑談用

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参謀コンクール (其の壱)
 有馬信乃@神聖巫連盟  - 08/6/2(月) 23:36 -
*はじめに

4つのイベントの中で最も失敗であったイベントはどれであろうか。
まず、それぞれのイベントの結果だけを簡単に書き出してみる。

S43を探せでは、内戦の契機を作った行動があったものの、目撃情報の収得などから当初の目的は比較的達成できている。
ボンダンスの呪いは完全に解呪できたわけではない。しかしながら快方へと向かっている。
空爆の開始は、被害は出たものの、敵を撤退させうるに至った。
OVER90は、S43氏を赤ん坊に戻すことに成功し、目標を達成できている。

このように結果だけをあげてみれば、S43を探せ、が大きな失敗を抱えているように見える。空爆の開始はS43を探せで冒険組合による黒麒麟藩国への侵入があった事に端を発しているため、この失敗がなければ空爆による被害は起きることがなかった可能性が高い。
しかしながら、この失敗がそれほど大きなものだとは考えられない。そもそも黒麒麟藩国(他多数)がテラ領域への侵攻を意図していたことは以前から周知の事実であり、参謀をはじめ、軍事に感心を持っていた者ならば、時機はともかくとして、宇宙からの侵攻や空爆の危険性などは十分に予測していたであろう。

では、どのイベントが最大の失敗であっただろうか。
私は、OVER90こそ4種のイベントで失敗の多かったイベントであったと考えている。
イベント自体は、なりそこない30部隊の殲滅、S43氏の救出、と4つのイベントの中では最大の成功のようにみえなくはない。だが、このイベントほど自らの手で勝ち取っていないイベントは他にないのである。このイベントは援軍の到来という幸運によって完全勝利を得ることが出来たが、もし援軍がなかった場合はどうであったろうか、と考えさせられるイベントである。故にこのイベントをこそ、反省と教訓にして、今後の対策を考えるべきではないかと考える。


*OVER90概略

・イベントの目的

S43氏の前に、霧賀火澄氏を連れて行くこと。

・戦力

藩国軍
akiharu国部隊:攻撃なし:AR18:街
ゴロネコ小隊:攻撃なし:AR10:街
ナニワI=D小隊:中距離26:AR15:突
暁の円卓剣王隊:白兵34、37:装甲49:AR10(魚鱗陣により15):突
都築藩国小隊:攻撃なし:AR13:街
ネイムレスロボッツ:攻撃なし:AR15:突
久珂あゆみ騎士団:攻撃なし:装甲44:AR12:突
にゃんにゃんちゅー隊:攻撃なし:AR10:突
FEG騎士団〜草原の翼〜:中距離34:装甲44:AR18:突
キノウツン混成部隊:白兵27:AR18:突:街(分割)
海法よけ藩国ごちゃまぜ小隊:攻撃なし:AR10:街
ホスピタル騎士団:攻撃なし:AR12:街
リワマヒ国部隊:攻撃なし:AR10:街
神聖巫連盟巫歩兵部隊:攻撃なし:AR10:街
OWダンボール:攻撃なし:AR10:街
鍋アビニャン部隊:中距離45:AR20:突
たか☆しお〜春〜部隊:攻撃なし:AR12:街
ビギナーズ王国混成部隊:攻撃なし:AR10:街
ジェントルラット藩国部隊:攻撃なし:AR10:街
レンジャー連邦部隊:攻撃なし:AR14:街
里樹騎士団:攻撃なし:AR10:街
玄霧藩国・藩国混成部隊:攻撃なし:AR10:街

全22部隊(部隊分割後26部隊)

#部隊名はツリーのレスを使用しています。
#評価値は実際の戦闘で使用された数値(修正有り)を使用しています。
#街、突は、戦闘準備後最初の分岐でとった選択です。
#街=街のを守れ 突=敵戦線を突破せよ

敵軍
なりそこない30部隊:評価値30:AR11以上

・戦闘の流れ

藩国軍、現地へ向かって部隊を展開する。
7部隊が敵戦線の突破へ、19部隊が街の防衛へ向かう。
なりそこない30部隊以上、街を半包囲体勢。部隊数から敵部隊は集中していた。

正面突破部隊、なりそこない6部隊と交戦開始。
街の防衛に向かった一部の部隊は民衆の避難誘導へむかう。
AR10以下の部隊はその場で待機。

正面突破部隊、敵の6部隊を撃破。
ナニワI=D小隊、ARが11を下回り、敵の集中攻撃の的になりかける。
暁の円卓剣王隊、撤退への動きを見せる。

魔法飛行団と人騎兵団の援軍が空から登場。
街に襲いかかる敵部隊は魔法使い部隊によって殲滅される。
ナニワI=D小隊はバロによって救われる。
暁の円卓剣王隊、水使いによってARを回復。撤退を取りやめ戦線に復帰する。

S43護衛団1部隊との戦闘、暁の円卓剣王隊がこれを撃破する。

FEG騎士団、S43の前に突入し、霧賀火澄、霧賀小助を送り込む。

作戦は成功。エンディングセレモニーへ進む。

・敵部隊との遭遇記録

敵戦線の突破:6部隊
 暁の円卓剣王部隊:撃破数1
 キノウツン士季部隊:撃破数1
 FEG騎士団:撃破数1
 鍋アビニャン部隊:撃破数3
S43護衛団:1部隊
 暁の円卓剣王部隊:撃破数1
迂回作戦:1部隊
 援軍の到来により戦火を交えず。
民衆の防衛:4部隊
 援軍の到来により戦火を交えず。
撤退:1部隊
 暁の円卓剣王部隊の選択変更にともない、戦火を交えず。

総撃破数:7部隊
援軍による撃破数(推定):23部隊

・勝利のポイント

援軍の到来、これに尽きるように思う。援軍の到来がなければ負けていたとは言わない。しかしながら、無傷での勝利は確実になかった。少なくとも、ナニワI=D小隊はAR11を切っていたし、街の防衛に向かった10部隊もAR10の状態で動くに動けなかった。敵部隊が残ったままでの時間切れによる処理がどのようなものになったかは想像するしかないのだが、もしAR11以下は攻撃を受けるとなっていれば、参加部隊の半数を失うことになっていた。これでは、たとえイベント自体は成功したとしても、なりそこないは生き残り、戦闘の点から考えれば、負けであったと言えるだろう。

また、援軍が到来しなかった時のイベントの推移を少しばかり想像してみる。
街の防衛に向かった部隊において、AR11以上をのこした状態で撃破できる敵の数は全部で4部隊しかなかった。したがって、住民の避難は成功したかもしれないが、その後、防衛に向かった部隊が被害無くイベントを終えていた可能性は、低いように考える。
一方、敵の突破に向かった部隊も、ネイムレスロボッツ、FEG騎士団、が攻撃の余力は残していたが、撃破可能だったのは多くても二部隊で、援軍が来ていなかった場合、確実に突破できたかは、ほぼ五分の状態であると考える。
これらの点から考察すると、イベントの成功の可能性はきわめて小さく、S43氏を救えたとしても、その後なりそこない部隊の反撃があったとすれば、部隊の大部分は殲滅されていたように思える。良くてもぎりぎりの勝利であり、戦術的には勝利であっても、戦略的な被害は甚大で帝国、共和国の戦力を大きく低下させていたことは察するに足るだろう。

・軍事上無視できないポイント

1:AR10の部隊が参戦している。これは藩国における戦略面での完全なる失敗であると考えざるを得ない。敵のARが11以下にならないとテンダイスに明記されていながら、ARを上昇させる術ももたず参戦してきたことは無謀に過ぎると思われる。
2:AR11以上の部隊のうち半数の部隊が街の防衛に向かう必要はあったのか。イベントの目的はS43氏のもとへ霧賀火澄氏を連れて行くことである。その点から考えると、作戦上の失敗に繋がる行動となった可能性がある。街を守れのカードに出ていた部隊数は30以上とあったため、敵軍は一つにまとまっていたと推測できる。ならば、どちらか一方に兵力を集中して突破していくほうが、確実に道を切り開けたと考える。


*今後の掲示板ゲームにおける提案事項

1:出兵構想
2:攻撃と防衛
3:諸藩国の連携
4:ゲーム間の連動
5:戦略と戦術と戦法


1:出兵構想
「敵を知りおのれを知れば百戦危うからず」この言葉は軍事に感心のない人でも、日常生活において一度は耳にしたことがあるはずである。兵法書として名高い孫子謀攻篇の中の一説である。まずはこの観点からOVER90の反省点をあげてみたい。

さて、イベントの現状を語る前に、一つ誤解を解いておかなくてはならないことがある。それは、「敵を知り〜」のくだりについてのことである。この文章の原文をご存知だろうか、前後の文をご存知だろうか。それを知っていると知らないとでは、この語の解釈変わってくる。それゆえ、少しばかり引用させてもらう。

//*//

故に勝を知るに五つあり。もって戦うべきと戦うべからざるとを知るものは勝つ。衆寡の用を識るものは勝つ。上下の欲を同じくするものは勝つ。虞をもって不虞を待つものは勝つ。将、能にして君の御せざる者は勝つ。この五者は勝を知るの道なり。
故に曰く、彼を知り己を知れば百戦して殆うからず。彼を知らずして己を知れば、一勝一負す。彼を知らず己を知らざれば、戦うごとに殆うし。

勝利の条件は五つある。戦う時と戦ってはいけない時を知る者は勝つ。部隊を上手く運用する術を知る者は勝つ。指揮官と兵士が互いに同じ目標で動く者は勝つ。準備を整え、敵の準備不足につけこむ者は勝つ。指揮官が有能で君主が自由に采配を許す者は勝つ。この五つが勝利への道である。
したがって、敵を知り己を知っていれば、戦っても危険はない。敵を知らず、己を知っていれば、勝負は五分である。敵を知らず己も知らなければ、戦う度に危険がつきまとう。

//*//

本来ならば謀攻篇の全文を載せたいところであるが、文量により省略させてもらった。「彼を知り〜殆うからず」までが、「敵を知り〜」の原文訳にあたる。

まず説明したいのは、「敵を知り己を知れば」の意味は敵味方の情報をきちんと知っておけば良い、と言うものではないことである。それを意味する言葉は原文中の「故に曰く」である。つまり、「彼を知り〜」の文章は、前文を受けての文章なのだ。またこの文章は、謀攻篇の最後を締めくくる文章であるため、本来は「故に勝を知るに五つあり」以前の文章をもまとめての言葉の可能性もある。
したがって、孫子がこの場で説いていたことは、敵味方の情報を良く熟知せよ、と言う意味で使っていたわけではない。引用部分のみを大まかに意訳するならば、「勝つための条件は五つある。それを踏まえて、敵味方の情報を照らし合わせて勝算を考えてみよ」というものではないか、と考える。
また、孫子はこうも言っている。「殆うからず」と。敵味方の情報を熟知していれば、戦争に勝てる、もしくは、負けない、と言っているのではない。あくまで、危険は回避できる、と述べているに過ぎない点にも注目したい。
その要となるべきは、前文の「戦うべきと戦うべからざるとを知る者は勝つ」である。勝つための五条件すべて重要かもしれないが、とくにこの一文は「殆うからず」の意を表しているだろう。つまり、勝算のない戦いはしない=危険はない、ということである。勝ち目のない時は兵を退き、兵力を蓄え、勝つための準備を整え、勝利の条件が揃った時に戦えば勝てる。これは謀攻篇に限らず、孫子全体を通して述べている。

では、以上の点を承知して頂いたうえで、OVER90に参加した部隊の編制に目を通してもらいたい。その中に、「彼を知らず己を知らざれば、戦うごとに殆うし」
の部隊が存在していることが容易に発見できると思う。
まず、イベントの情報をテンダイスより抜粋する。

//*//
S43の率いる部隊と戦闘を行います。
参加できる戦団はいくつでも構いません。戦闘ルールに準じて行います。
聯合国はバンド(協同部隊)してゲームに参加できますが、同調判定が必要です。
目標はS43ですが、火澄を無事にAR3のこして対戦させないといけません。
敵は攻防評価30が30部隊以上。AR10以下には絶対になりません。要注意。
(出兵命令つき:帝國に属して軍にないものはこのイベントに参加してください。参加できない場合は300億の資金ペナルティを与えます)
//*//

この中から、敵の能力値は30、ARは常に11以上、ということが読み取れる。
次に出兵部隊の状況を見て頂きたい。とくに、ARを注意してもらいたい。
いかがだろうか、敵はARが11以下にならないとされているのに、ARが10の部隊がいくつも参戦しているのである。
能力値が30に届かない、という点に関しては、作戦しだいでは覆すことが出来る。他の条件さえ満たせば、勝利の五条件を整えることは不可能ではない。しかしながら、ARの差はどうあがいても覆すことは出来ない。行動はARが高い順に行われる。AR11以上ある敵を前にした時、AR10の部隊には行動順が回ってこない。はたしてこれらの部隊は、このイベントで戦うべきであっただろうか、指揮官は部隊の運用をどのようにするつもりだったか、この状況で準備が整っているだろうか、これでは、戦うべき時を知らず、衆寡の用を知らず、虞をもって不虞を待たず、勝利の条件のうちの三つを揃えていないことになる。

結果論として、無事生き残った、というのがあるが、これは運が良かったに過ぎない。もし援軍がなければ、AR10の部隊は時間切れによる自動処理で全滅していたかもしれないのである。その点は十分に反省すべきであろう。

では、五つの条件を整えるためには何をすれば良かったのだろうか。
結論から言えば、手遅れである。このとき唯一打てた手段は参戦しない、それだけだ。少し視野を広げてOVER90から離れるが、勝利の条件を整えるためには、イベント開始時ではすでに手遅れなのである。というのも、アイドレス2において、部隊編成は(基本的に)イベント事に変更することができないからだ。いいかえれば、全てのイベントにおいて、開始時に出来る勝利の条件を整える方法は、参戦するかしないか、それを決める以外の変更は何も出来ないのである。
勝利の条件を整えるためには、もっと早い段階から行わなくてはならない。それは、編成フェイズである。この段階ですでに、イベントにおける勝算はほぼ決まっていると言っても良い。この段階で自分の部隊が何を出来るのか、何が出来ないのか、何を得意とするのか、どのような戦い方が適しているか、それらの条件を整えて、かつ、今後どのようなイベントが発生するか、と照らし合わせて部隊編成をする必要がある。ただ闇雲に強い部隊編成を行うことが、イベントの勝利に繋がるのではない。これらを十分に吟味することによって、彼を知らずとも、己を知ることができ、五分の勝算まで引き揚げることが出来るのである。

・戦うべきと戦うべからざるとを知る
まず考えるべきは、自分たちの部隊がどのような状況で戦うのが一番良いか、を探すことである。編成時にどのようなイベントが発生するかを知ることは出来ないが、どのような戦場で戦いたいか、どのような戦い方をするか、を想定することは可能である。宇宙で戦うことを前提にするなら、I=Dやサイボーグは必須であるし、低物理域を主戦場に考えるなら、詠唱や白兵に力を注ぎたい。このように、ある程度戦場の想定をして部隊を編制すれば、どのようなイベントであろうと、自分たちが想定したものとどの程度差異があるかを考慮すれば、そのイベントへの参戦の可否を推し量ることができ、無謀な参加を減らすことが出来る。
ただし一つだけ注意すべき点がある。それはどうしても戦わなくてはならないとき、つまり、藩国の防衛である。自国ではどのような部隊も行動可能ではあるが、組み合わせによっては他の編成にした方が良いということもある。特に軽編成を行う藩国はその点を鑑みて、部隊の編成やイベントへの参戦も考慮する必要があることを付け加えておく。

・衆寡の用を識る
指揮官は部隊がどのような戦いが出来るかを熟知しているだろうか。これは、白兵が出来る、詠唱が得意である、どのような特殊をもっている、ということではない。それらをどのように駆使して戦闘を行えば良いかを知っているか、ということである。例えば、白兵を得意とする部隊が後方で待機するのは意味がないし、ARが低い部隊が迂回行動を行うのは行動回数を下げるため避けた方が良い。
自分たちがどのような戦闘方法で戦うのが最も効率的かを知る、もしくは、戦闘方針を実現するために適している部隊を編制する、そのことが重要なのである。部隊をどのように運用するかを知っていれば、戦場でも迷うこと無くそれに徹すれば良い。出来ることだけ行い出来ないことを避ける、そうすれば危険を減らすことが出来る。

・上下の欲を同じくする
自分たちの部隊がどのような方針にそって戦うかを考えているだろうか。誰かは前線で戦いたいと考え、誰かは後方で守備に徹したいと考えていた時、部隊を効率よく運用することは困難となる。OVER90を例に挙げるとわかって頂けるだろうか。戦闘準備の時に、誰かは攻撃訓練をしたいと主張し、誰かは防御訓練をしたいと主張する、このような状況をまとめあげるために余分な時間を使うことになるし、誰かが一存をもって決定すれば別の意見を持つ者は反感を覚えて部隊内の統制を欠き、全てを賄おうとすれば中途半端に終わる。
編成の段階で自分たちがなすべきことを決めておけば、イベント中は行動の統一を図ることが出来る。指揮官や藩王が不在であったとしても、方針がぶれることが無くなり、想定外の失敗が起こりにくくなるのである。
また、「f:を通す」と言う点についても考慮して欲しい。部隊の目標や役割を編成段階で設定しておけば、イベントが発生していないときでも、提出するための有利なf:を用意しておくことができる。あらかじめ準備しておけば、イベント中に時間の余裕を作ることが出来、思考の幅を広げることにも繋がる。
指揮官から一平卒まで、皆が同じ方向を向いていることで様々なメリットが生じるのである。

・虞をもって不虞を待つ
ここでの虞とは準備が整った状態のこと、不虞とは体制が万全でない状態を指す。つまり、イベントが自分たちの想定した状況であるかどうか、を考慮することに繋がる。宇宙戦闘を想定した部隊が地上戦を行うと、準備したものが無駄になるし、ARが10以下にならない部隊を相手にAR10の部隊で参戦するのは、準備が整っていないと言える。自分たちが準備したものを過不足無く使い切り、敵が用意したものを使えない状況に持ち込む、これこそが、虞をもって不虞を待つ、である。
またこれ以外に、編成段階では能力が低かったとしても、戦闘準備の時点で、どのようなf:を通せば良いか、どの訓練をして評価値を加算するか、を想定しておくことも必要だろう。備えあれば憂い無し、ということである。イベントは一度きりではない。その回は無駄に終わっても、別の機会に流用することも可能である。
イベントに多く参加したいのであれば、前もって色々と準備しておくことで、イベント時の負荷を減らして戦闘中の余裕を生み出し、有利な状況を作ることに繋がるのである。

・将、能にして君に御せざる
クラウゼビッツの戦争論にこのような言葉がある。
「軍事は政治の一手段に過ぎない」(意訳)
君、つまり藩王、の仕事は政治であり、将、つまり指揮官、の仕事は軍事である。
指揮官が有能であれば、藩王は軍事のことに口を出す必要はない、「将、能にして〜」とは、そのような意味である。
およそ一年前になるが、出仕TIPSの存在を覚えている人はいるだろうか。

参照URL=ttp://blog.tendice.jp/200705/article_5.html

TIPSを藩国運営の関係として読むならば、作業を軍事、指揮官を藩王、実務官を戦闘指揮官、と置き換え、あとは適宜代入すれば良いと思う。
これに則って解説すれば、作業を軍事行動に置き換えて考えると、指揮官が藩王であり、実務官が戦闘指揮官、ということになる。従って、藩王は指示を出すに止め、実務は戦闘指揮官に委ねてしまえば良いのである。

出仕TIPSに記載されていない点で解説をすれば、藩王は政治全般に対し知識を求められるのに対し、戦闘指揮官は軍事一辺倒に偏った知識で良い。したがって、必要なことに対する勉強時間が同じであれば、藩王よりも指揮官の方が軍事については精通することになる。すなわち、知識のない藩王が下手に口を出すことによって、指揮官が当初定めた作戦を変更することとなり、至る所で齟齬が起きてしまうことに繋がりかねない。
いささか脱線するが、これは何も軍事に限らず、政治における他の分野にも当てはまることである。孫子と並ぶ兵法書とされる呉子に、国防を万全にするための方策としてこのようなものがある。
「古の明王は必ず君臣の礼を謹み、上下の儀を飾め、吏民を安集し、俗に順いて教え、良材を簡募して、もって不虞に備う」
意訳すると、昔の名君は上下の秩序を整え、臣民を正当な職務につけ、資質に応じて教育し、優秀な人材を採用して不測の事態に備えた、となる。つまり、適材適所に人を配置せよ、ということである。
藩王の仕事は国政であって軍事ではない。優秀な指揮官がいるならば、全てを任せてしまえば良いのである。上手く国民を使って仕事を分担し、一部に負荷がかからないようにすることもまた、勝利のための一条件なのである。


以上の五つの点を編成段階から想定することが、必要であると私は考える。
また、孫子は別の篇でこのようにも述べている
「勝兵は先ず勝ちてしかる後に戦いを求め、敗兵は先ず戦いてしかる後に戦いを求む」
意訳すると、勝つ部隊は戦闘開始前に勝利の条件を整えており、負ける部隊は戦闘を開始してから勝つための方策を求める、ということである。
勝てない体制にある時は下手に戦わず、戦わないことも視野にいれて、参戦の可否を決すべきではないだろうか。
戦えない時に逃げることは臆病ではない。戦えない状況でも戦うことが勇気ではない。戦えない状況で逃げることこそ勇気と言い、戦えない状況で戦うことは匹夫の勇と呼ぶのである。時には退くことも必要なのである。


<其の弐へ続きます>
引用なし

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参謀コンクールのためにお借りしています 信乃 08/6/2(月) 23:29
参謀コンクール (其の壱) 有馬信乃@神聖巫連盟 08/6/2(月) 23:36
参謀コンクール (其の弐) 有馬信乃@神聖巫連盟 08/6/2(月) 23:37
参謀コンクール (其の参) 有馬信乃@神聖巫連盟 08/6/2(月) 23:38

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