今日子ちゃんへ この前会った時から平和の良さを考えていましたが、人に勧める事が出来るほど平和の良さは思いつきません。 いくら平和といった所で平和に暮らせている側に入ることができない者が出てくる事は知っているし、そうなると周囲が幸せそうであればあるほど憎んでしまう事もわかるから。 だから、平和な世が誰にとっても良いものだと信じているわけではありません。 それに、私にとっても平和が無条件に良いものとなるわけではありません。 平和は痛みがない日と同様にあまり長く続くと耐えれなくなるものだから。 平和じゃない所を探し出せないほどの平和なんてそうそうないけどね。 そんな平和だけど、私が胸を張って良いといえることが一つあります。 それは誰かを想うことが許されているということです。 平和な時は誰を助けようと愚かと言われる事はあっても助ける自由があります。 誰を好きでも思いを口にし、好かれるよう努力することができます。 けれど、平和じゃなかったらその思いを口にするだけで危険です。 私も家族ならどんな時でも守ろうと動こうとするけれど、みんな大切だからこそ一人の家族を守るために他の家族を危険に晒す事を自覚して動かないといけないです。 だからいつだってあなたの事が心配だけど、今はアウトウェイの藩王との何かあった時は国民を守るという約束を守るために働いています。 せめて最後にした約束は守りたいからね。 では、受け入れ作業が一段落したらまた遊びに行きます。 それではお元気で。 藻女より 追伸 童話の募集に応募した時に栞が当たったので贈ります。 少しでも幸運をあなたのもとに届けたいので受け取ってください。