神聖巫連盟 : 雑談用
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悲しみに満ちた戦闘は無名騎士藩国のいたるところで繰り広げられていた。
なるべく傷つけぬように細心の注意を払いながら。
ミツキは両の腕を定まった形に動かす。
虚空に浮かぶ魔法陣。
そして呼びかける。
私は皆を助けたい。お願いします。力を貸してください。あやつられた人たちをお家に帰してあげたいの!
ミツキの心からの言葉はそのまま挨拶となり、力ある言葉となる。
呪文とは本来そのようなものである。
ミツキの思いに共感した「力」が集り、魔法陣を沿うように廻りはじめる。
ミツキと同じ思いなのは七比良鸚哥。
詠唱を手伝うように、理力使いの杖を用いて援護する。
足元を中心に攻撃を加える。
怪我は最低限ですむように、しかし相手の動きを止める場所を選ぶ。
それは「生かす」ための闘い。
奪うためでなく「共に生きる」ための手間。
「難しいけどみんな頑張って」
肩で息をしながら姫巫女が皆に呼びかける。
そして足を踏み鳴らす。
舞を舞うようにゆらりゆらりと。
姫巫女に呼応するように、ゆうらりと陣が形成されてゆく。
「殺さず、動きだけ止めてください」
それがそのまま詠唱の言葉となった。
喜びに満ちた光が渦をまきながら「敵」に突撃する。
皆で生きましょう。
そんな願いが込められた詠唱が続く。
(514文字)
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